百千鳥(ももちどり) | |
〔本意・形状〕 | 春になって多くの種類の鳥が集まり鳴き交わす様子を言う。 『八雲御抄』に「是は鶯に限らず、是春百千鳥の囀り也」とある。 |
〔季題の歴史〕 | 古今伝授の三鳥で呼子鳥(よぶこどり)、稲負鳥(いなおおせどり)とともに秘伝とされ所説を生んだが、結局いろいろの鳥が群れて囀ることを言うようになった。『古今集』春上に「百千鳥囀る春はものごとにあらたまれども我ぞ古りゆく」よみ人知らず、がある。 |
〔類題 傍題〕 | なし |
〔例 句〕 | 河上は柳か梅か百千鳥 其角 入り乱れ入り乱れつつ百千鳥 正岡子規 百千鳥もつとも鳥の声甘ゆ 中村草田男 松籟を引き入れかねて百千鳥 安藤次男 百千鳥雄蕊雌蕊を囃すなり 飯田龍太 |
遠足(えんそく) | |
〔本意・形状〕 | 春に限るものではないがうららかな春の光を浴びながら、新しい仲間と友情を深める学校行事などとして、春が最もふさわしい。タンポポの土手を一列に歩く園児や小学生の歓声には喜びがあふれている。 |
〔季題の歴史〕 | 明治以降に出来た季語とされる。 |
〔類題 傍題〕 | なし |
〔例 句〕 | 遠足の列とゞまりてかたまりて 高浜虚子 遠足の女教師の手に触れたがる 山口誓子 海見えてきし遠足の乱れかな 黛 執 遠足にとり囲まれて象孤独 野中亮介 遠足の列大丸の中とおる 田川飛旅子 |
(根本梨花) |