氷柱(つらら) | |
〔本意・形状〕 | 滴る水のしずくが寒さの中で凍りつき、家の軒下や木の枝、崖や岩石などに円錐状に長く垂れさがる。垂氷(たるひ)、立氷(たちひ)ともいう。晴れた日の氷柱は陽に輝いてことに美しい。寒さの形象であるがどこか明るい印象がある。 |
〔季題の歴史〕 | 「朝日さす軒の垂氷は解けながらなどかつらつら結ぼほるらむ」(『源氏物語』末摘花)。連俳では、『連珠合壁集』以下、『至宝抄』『毛吹草』『増山の井』など、すべて冬または11月として掲げる |
〔類題 傍題〕 | 垂氷(たるひ)・立氷(たちひ)・銀竹(ぎんちく) |
〔例 句〕 | 朝日かげさすや氷柱の水車 鬼貫 御仏の御鼻の先へつららかな 一茶 遠き家の氷柱落ちたる光かな 高浜年尾 丘の上の寺の氷柱も見ゆるかな 高野素十 みちのくの町はいぶせき氷柱かな 山口青邨 |
金目鯛(きんめだい・きんめだひ) | |
〔本意・形状〕 | 関東以南の太平洋側の水深100メートル~1000メートルの深海に分布。体色は鮮紅色で目が大きく金色に光るのでこの名がある。肉は白身で美味。刺身、煮つけ、鍋などに賞味される。 |
〔季題の歴史〕 | 『図説大歳時記冬』(角川書店・昭和40年6月)立項・解説のみある。 |
〔類題 傍題〕 | 錦鯛(にしきだい) |
〔例 句〕 | 睨み返して金目鯛食べにけり 水原春郎 |
(根本梨花) |