わくわく題詠鳩の会兼題解説

◆ 兼題解説 梟・ボーナス ◆

梟(ふくろう・ふくろふ)
〔本意・形状〕 フクロウ科の鳥のうち、頭上に耳状の突き出した羽毛をもたないものの総称。ミミズクとよく似ているがミミズクには耳羽がある。全長やく50センチ。頭部は大きく顔はほぼ円形で、灰白色。昼は森林の梢で眠り、夜活動してネズミや小鳥などを捕食する。
〔季題の歴史〕 『夫木和歌抄』雑に、梟「山深みけぢかき鳥の音はせでもの恐しきふくろふの声 西行」。声は「ゴロスケホーホー」と鳴くといわれる。声も姿も夜行性なので不気味とされ良い印象はもたれていなかった。しかし現代では「フクロウ」のフクを「福」に読み替へ「福を運んでくる鳥」として玄関などにも飾られるようになった。
〔類題 傍題〕 しまふくろう しろふくろう 母食鳥
〔例   句〕 梟のむくむく氷る支度かな    一茶
梟淋し人の如くに瞑る時     原石鼎
ふくろふに真紅の手毬つかれをり 加藤楸邨
旅おえてまた梟に近く寝る    宇多喜代子
ふくろふに聞け快楽のことならば 夏井いつき
ボーナス
〔本意・形状〕 夏季・年末などに支給される臨時的給与。
〔季題の歴史〕 日本では明治九年(1876)三菱商会が賞与制度を作ったのが始まりという。近代的な経営がおこなわれてからの季語である。
〔類題 傍題〕 年末賞与 年末手当 越年資金
〔例   句〕 ボーナスの少し脹れしかのごとく  高浜虚子   
懐にボーナスありて談笑す     日野草城
かぞふより賞与一束忽と消ゆ    清水甚吉 
懐にボーナスはあり銀座あり    榊原秋耳
油手を拭くやボーナス配られつ   黒坂紫陽子
(根本梨花)


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