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草笛のじやうずな彼も転校す
kusabue
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写真提供:箱崎秀夫(フリーカメラマン)

■200605_01
谷地海紅 2006/05/02-15:45 No.[21]----------------------------------------

草笛のじやうずな彼も転校す


福次郎 2006/05/05-17:48 No.[22]----------------------------------------

少年時代の思い出でしょうか。爽やかな風が、転校してそれっきりになってしまった友達への懐かしさを呼び起こさせる。そんな印象を受けました。


濱田惟代 2006/05/05-20:49 No.[23]----------------------------------------

草笛が上手かった彼も転校してしまった。、もしかしたら作者は其の音色を楽しみにしていたのかもしれません「彼も]と並列の「も」を使っていますので他にも親しい友達がいなくなった上に又転向したという二重の寂しさが伝わってきます。


渡部陽子 2006/05/08-13:19 No.[24]----------------------------------------

分りやすくさりげない句ですが、よくよく読むと細工が一杯。仮に「草笛が上手な彼は転校す」としてみると「の」、「も」、「じゃうず」のはたらきが効いているのが良く分る。「じゃうず」はあの時抱いた子供ながらの羨望を今思い返してキュンとなる気持ち、「も」には作者のその後の人生の時間が感じられ、読者にも作者の少年の日の感傷がひしひしと伝わってくる。このような表現形式により「草笛」という季語にもたれかかっていないところが好きです。


大江ひさこ 2006/05/09-11:32 No.[25]----------------------------------------

目を閉じてこの句を浮かべると、失われた日本の風景といった美しさと懐かしさにひかれます。
先の句「乗り換への一番ホーム花の雨」には横書き故に字面が楽しいと書いたのですが、また字面のことになりますが「じやうず」をぱっと目にしたときに一瞬とまどいがあって、俳句をまだ読み慣れない私は、俳句の古い仮名遣いに自分が作るときもとまどうことがよくあります。これが縦書きであったらそんなことはなかったかもしれません。短冊に筆で書かれていたら草笛も映えるでしょうね。


海紅 2006/05/13-00:19 No.[26]----------------------------------------

ボクの家は小さな町工場だったので親に転勤はなく、したがって子供のボクにも転校はなかった。それゆえかな、転入生にはきわめて新鮮な関心を抱いた。そして親しくなって数年、彼ら、彼女らはまた転校していった。淋しかったナ。この句の発想の根底にはそうした記憶があるのかもしれない。でもできあがった作品に見合うような事実はない。それでよいと思っている。


久保寺勇造 2006/05/16-08:06 No.[27]----------------------------------------

夕暮れの校庭の片隅で草笛を吹いていたTちゃんのこともう60年前のことですが鮮明に思い出しました。あの頃は学童疎開で転入出の多い時でした。



海紅 2006/05/16-10:59 No.[28]----------------------------------------

どうーも、海紅です。ボクの句がこんなふうにボクの過去を離れて、久保寺さんの過去に繋ってくれて、しんそこ光栄です。

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