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「論文を読む会」議事録 |
・発表テーマ 「芭蕉と西鶴」
・発表者 安居正浩
・日時 平成25年7月13日(土)、14時30分〜17時
・場所 東洋大学白山校舎6号館 谷地教授研究室
・資料 @「芭蕉と西鶴」(安居正浩作成) <参考図書館登録済>
A年表 ( 〃 )
・出席者 谷地先生、安居正浩、江田浩司、堀口希望、根本文子、大江月子、
市川千年、鈴木松江、伊藤無迅 <発表者を含め10名> |
<発表のまとめ>
1.発表の概要
・芭蕉と西鶴は共に談林俳諧を極めた俳諧人であるが、その生き方は対照的である。二人の関係はいったいどのようなものであったか。
・この命題を探るため芭蕉及び西鶴と、二人の高弟である宝井其角・北条団水の四人を取上げ、四人が残した書簡・著作物から二人の関係を探る。
2.発表のポイント
・芭蕉と西鶴の関係を芭蕉−其角、西鶴−団水とそれぞれの師弟四人の立場から調査した。(それぞれの師弟は約二十年の年齢差を挟んで、ほぼ同世代人)
・選定した四人が残した(或は関係した)書簡・著書 から、それぞれの関係を浮き彫りにし最終的に芭蕉−西鶴の関係を探った。
@ 芭蕉から見た西鶴・・『去来抄・故実』、元禄五年三月二十三日付曲翠宛書簡。
A 西鶴から見た芭蕉・・『西鶴名残の友』、『俳諧秘蔵抄』。
B 団水から見た芭蕉・・『俳諧秋津嶋』、『物見車』、『俳諧くやみ草』。
C 西鶴と其角の関係・・『五元集』、『西鶴名残の友』、『句兄弟』。
3.まとめ
・芭蕉は俳諧絡みの文章の中ではあるが明確に西鶴を批判している。しかし西鶴はこれに真っ向対応はせず大人の対応をしているように見える。これは西鶴が早い時期に有名人となった「ゆとり」からとも見える。
・西鶴と其角は親しい関係にある、これは生き方が似ていたためと思われる。
・芭蕉は団水を辛らつに非難するが、これを芭蕉の抱擁力欠如と考えるのは早計。
・西鶴と芭蕉とは俳諧に対する考え方が基本的に違っていた。芭蕉は伝統的な和歌を上回る俳諧を目指しただけに、西鶴の数を競う矢数俳諧や西鶴・団水が宗匠をつとめていた点取俳諧が許せなかったのであろう。
・芭蕉と其角の師弟関係は最後までゆるぎなかったが、其角と西鶴とが親しい関係にあったことは心中穏やかではなかったであろう。
・ともかく芭蕉が生涯、西鶴を意識していたことは間違いない。<文責伊藤無迅>
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