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兼題解説 苗売・守宮 |
苗売(なえうり) |
〔本意・形状〕 |
晩春の季題 。春の終わり頃 、野菜や草花の苗を携えて町を売り歩いた人。売り歩く声は金魚売や風鈴売のように季節の風物詩であったらしいが、現代では無くなってしまった。
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〔季題の歴史〕 |
『守貞漫稿』(嘉永6)によると、江戸では諸苗を畚(註)に入れて担い売る、京坂では夜市などに農夫が持ってきて路傍で売るのみと言っている。(註)畚(ふご)。もっこ。 |
〔類題・傍題〕 |
とくに無し。 |
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・駅前に茄子苗売りのこぼせし土 田川飛旅子 |
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・苗売のぬつと出て来る海人の路地 小谷敏子 |
(堀口希望) |
守宮(やもり) |
〔本意・形状〕 |
トカゲ目ヤモリ科の爬虫類の総称。夜行性、食虫性で、鳴くものもある。
ニホンヤモリは、大きさ12センチメートルほどでトカゲに似て平たく、鱗は微小で全体暗灰色。多数の褐色斑が散在。指は前後肢とも五本あり、扁平で裏面に大きな吸盤がある。そのため壁でも天井でもガラス窓でも自由にはい回ることができる。夜に出てきて昆虫を補食する。人に嫌われるが実は無害、無毒で害虫駆除に有益な動物である。 |
〔季題の歴史〕 |
特になし。 |
〔類題・傍題〕 |
壁虎(やもり) 守房(やもり) 守宮(やもり)鳴く |
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・硝子戸の夜ごとの守宮とほき恋 鍵和田秞子
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・芭蕉葉に二重写しの守宮かな 阿波野青畝
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・守宮啼くヒマラヤ杉の深き燈に 渡辺水巴
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・こんばんは守宮の喉に喉仏 川崎展宏
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・窓枠に守宮手紙を書いてをり 井田美知代
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(根本文子) |
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