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兼題解説 啓蟄・春休 |
啓蟄(けいちつ) |
〔本意・形状〕 |
「啓蟄」は二十四節気の一つで旧暦2月の節、新暦では3月6日頃に当たります。地中の虫が動きはじめ地上に出てくるという意味です。
旧暦では1太陽年を24等分した24節気を定めて、それぞれの季節にふさわしい名称をつけています。たとえば「立春」は旧暦1月の節気で、新暦では2月4日頃です。「雨水」はやはり旧暦1月の節気で、新暦では2月19日頃に当たります。以下、「啓蟄」「春分」(旧暦2月)、「清明」「穀雨」(旧暦3月)、「立夏」「小満」(旧暦4月)、「芒種」「夏至」(旧暦5月)……と俳句で馴染みの暦(旧暦ですが)の名が続きます。
古代中国の暦法がベースになっていますので、むずかしい語ですし、暦としての実感も多少違います。 |
〔例句〕 |
・啓蟄や日はふりそゝぐ矢のごとく 高濱虚子 |
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・啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる 山口青邨 |
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・啓蟄や地べたてふ語のなつかしき 能村登四郎 |
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・水あふれゐて啓蟄の最上川 森澄雄 |
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・啓蟄を咥へて雀飛びにけり 川端茅舎 |
(堀口希望) |
春休(はるやすみ) |
〔本意・形状〕 |
学年末から4月の新学期が始まるまでの、学校の春の休暇である。気分的には一学年が終わった安堵感、開放感があり、また進級の期待と喜びも感じられる。季節的にも次々と春の花が咲き、心弾む休暇である。 |
〔類題・傍題〕 |
春休み、 年度替わり(ねんどがわり)。 |
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・痣なす焼土に日々子等がふえ春休み 赤城さかえ
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・鉛筆一本田川に流れ春休み 森澄雄
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・小鳥屋に少女等をりて春休 姉川長玄
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(根本文子) |
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