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◎AIのどこまで迫る神の留守 ムーミン
→同感。AIを人工知能と訳すのは正しいのだろうか。からくり人形というべきではなかろうか。ちなみに神も人間が創造したモンスターのひとつというと叱られるだろうか。
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◎餌をやる人の少なき神の留守 真美
→これは神の留守がうまく活かされた。
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◎骨董市神の留守とて日もすがら 憲
→これは、神の居らぬ間にという諧謔あり。
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○絶え間なき瀧の音きく神の留守 貴美
→上五・中七と季題との関連を匂わせる表現力がほしい。
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○内宮に祈りの灯り神の留守 和子
→皇大神宮(内宮) の灯りと季題との関連を匂わせる表現力がほしい。 |
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○真剣に手あはせすぐる神の留守 山茶花
→十月の神社を拝して過ぎゆく人々なのだろうが、これも上五・中七の姿と季題との関連が弱い。
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○神の留守遠く近くにシャッターの音 静枝
→このシャッターはさびれゆく商店街とみたが、カメラの音ともとれる。そこが描写の不十分なところ。
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○秋津島行方定めぬ神の留守 喜美子
→時事(今の社会事象)を憂う句か。寓喩を読み取らねばならぬ句のように読めて、俳句としては落ち着かない。
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○神の留守敗将の背の淋しさよ むらさき
→神が敗者でなく勝者に微笑んだとすれば、神の留守とは言えない。 |
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○神主になる子は出雲神の留守 千年
→出雲は神ばかりか、神主修行の子たちも含めて大混雑という意か。舞台が神が留守の社と神が大集合の出雲の二箇所に分裂して残念。
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○木や草にも情けの溢る神の留守 松江
→上五・中七と季題との関連を匂わせる表現力がほしい。 |
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◎つがひとや白鳥の声裏返り ひぐらし
→「声裏返り」で白鳥の恋なのだろうと想像される。
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◎白鳥の気位かくも荒々し 酢豚
→品位を「荒々し」と説くあたりに深みあり。
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◎濠に浮く白鳥ひとつ辞表だす 由美
→表現は未熟だが、景情には優れたものがある。
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○白鳥のチェロの「白鳥」なぞる湖 実篤
→分らなかった。自句自解を乞う。
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○十字架の向こうは荒野オオハクチョウ 瑛子
→「十字架の向こうは荒野」はいい景色だね。下五で締まりが悪くなった。
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○白鳥の生い立ち巡る旅心 美雪
→旅心は旅に出たいという気持ち。「生い立ち巡る」は実際の旅をしているようにもとれる。推敲不足というべきか。
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○まだ来ぬと白鳥守の呟きぬ ひろし
→報告に終わっている気がする。
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○白鳥の声降りそそぐ故郷かな 梨花
→「声降りそそぐ」がありふれて聞こえ、「故郷」で甘く、締まりがなくなった。
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