【×】水澄むや小石煌めく川の底 園田靖子
■海紅評=「水」と「川」、「澄む」と「煌めく」のイメージが近いので説明になってしまう。一方を捨てよう。
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【×】水澄みて遡上の魚を待ち受ける 礒部和子
■海紅評=「水澄む」「魚遡上」「待ち受ける(人)」では核になるものが三つになって、説明に陥りやすい。
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【×】澄む水に生別の刻見つめつつ 桜木とみ
■海紅評=「澄む水」「生別の刻」「見つめる(人)」では核になるものが三つになって、説明に陥る。
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【元】水澄みて金木犀の道をゆく 天野喜代子
【参】水澄むと思ふ買ひ物終へて帰途
■海紅評=「金木犀」では季重ねになってしまう。
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【×】水澄むや従兄弟にはじめて叔母のこと 谷地元瑛子
■海紅評=「はじめて」の意味不明。
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【×】原発禍黄河の如か水澄むを 柴田憲
■海紅評=「如か」「澄むを」語法不明。またこの比喩では「黄河」が気の毒。
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【◎】水澄むや白樺の葉の翻り ひぐらし
■海紅評=「白樺」が似合う。「白樺」でよかった。
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【×】水澄みて鼻緒の跡の縁の先 かずみ
■海紅評=「鼻緒の跡」が意味不明で、全体が見えない。 |
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【○】水草のそよぐ仕種に野川澄む 菅原通斉
■海紅評=「仕種」は言い過ぎ。 |
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【元】水澄むや友へ株分け力みをり ムーミン
【参】水澄むや友へ株分けはかどりぬ
■海紅評=「力みをり」は不要。 |
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【元】水澄むや甲羅干見ゆ悠々と 小出富子
【参】水澄むや大きな亀の甲羅干し
■海紅評=「悠々と」は不要。 |
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【○】抱え込みしこと片付きて水澄めり 堀 眞智子
■海紅評=「抱え込みしこと」はもたついた表現だが。 |
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【×】宙の塵還元の淵に竜潜み こま女
■海紅評=「宙の塵還元の淵」は標語的で失敗。 |
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【△】竜淵に潜む江ノ島風おこる 西野由美
■海紅評=「風おこる」が「竜淵に潜む」の説明に陥っている。 |
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【△】風うなる十和田湖の淵に潜む竜 青柳光江
■海紅評=「風うなる」が「竜淵に潜む」の説明に陥っている。 |
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【×】竜淵に潜む干支は辰白髪 谷 美雪
■海紅評=「竜」「辰」のことば遊びに終わった。 |
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【◎】竜淵に潜み古事記を繙きぬ 安居正浩
■海紅評=『源氏物語』や『枕草子』でないところ秀逸。 |
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【△】竜淵に潜むも祷り島の民 月子
■海紅評=「潜むも祷り」の景色見えず。 |
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【○】竜淵に潜み就職内定す 堀口希望
■海紅評=読後、前途に幸多かれと思う。 |