■白山句会2月例会(ワークショップ:海紅の連句入門) 海紅 2023/02/06-14:52 No.[4002] |
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香粒追悼「留守庭に」半歌仙 1 留守庭に冬芽の揃ふ小さき鉢 香粒 2 時雨の後の屋根のまぶしさ つゆ草 3 電線を猿鳴きわたる月冴えて 海紅 4 早起きをして垂らす釣り糸 エール 5 鯛一尾芭蕉会議でもてなさん 海紅 6 この道を来てこの道をゆく 喜美子 1 やはらかきもの春宵と人柄と 蛙星 2 昭和初年の紙雛といふ 海紅 3 大掃除済ませば嫁ぐ日も近し 同 4 いちどは添うてみよと言はれて 同 5 野辺送り終へ青春に悔いはなし 同 6 見上げる空はあくまでも澄み 蛙星 7 名月に差し入れらるる純米酒 真美 8 色なき風と説きたるは誰そ 瑛子 9 おにぎりを買ひ墨堤に腰おろし 美雪 10 二次会までにメイク直さん 海紅 11 カラオケを出て駅までの花吹雪 つゆ草 12 お地蔵さまも眠たげな春 瑛子 香粒さんの御冥福をお祈りいたします。 |
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eiko yachimoto
2023/02/07-18:33 No.[4003]
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楽しみです! 先生のお邪魔にならないようにします。瑛子 | |||
海紅 2023/02/09-16:24 No.[4004] | |||
追悼「留守庭に」歌仙 留守庭に冬芽の揃ふ小さき鉢 香粒 【発句について】発句は当季(現在の季節、つまり春)の句とするのが筋ですが、上記の香粒さんの「冬芽」の句を発句とします(白山俳句会会報 No.55)。幹事会でこのワークショップを計画したあと、香粒さんの訃報に接しました。よって、御供養の気持ちで始めます。ただし、訃報については掲示板(会員フォーラム)に申し述べますので、お悔やみの気持ちなどについてはそちらに書き込んでください。連句は付けと転じを本質としますので、停滞は香粒さんも望まれないと思います。 【脇句を案じるアドバイス】発句の世界を自分なりに解釈し鑑賞する。それは人によって異なるはずで、異なってよいのだと考えてください。あなたの感想が発句を更に豊かにすると考えて、発句の傍にある景色や気持ちを追加して、コメントをください。短句(七・七)にまとまらない人は感想文でもかまわないのです。二日ほど待ちます。待って誰からもコメントがない場合はボクが案じて次に進むことにします。 | |||
海紅 2023/02/09-16:28 No.[4005] | |||
【脇句の季】すぐ季語は冬か、春かと聞いてくる人がいます。発句を大切に思っていただければ、「冬」に決まっていますよね。規則はあとからついてきます。気にしないでください。 | |||
海紅 2023/02/09-17:06 No.[4006] | |||
【海紅山房日誌を併用】常にイノベーション(刷新・新機軸)を心掛けないものはすたれてしまう。こんな魅力的な詩(連句)をそうさせてなるものか。卒論でそうつぶやいて以後45年、イサカイが恐くて黙ってきましたが、ワークショップという性格上、海紅山房日誌を併用して、そのあたりにも少し踏み込むかもしれません。この連句ページで理屈っぽくなってもいけませんので。 | |||
つゆ草 2023/02/10-15:36 No.[4007] | |||
早速ですが、付けさせて頂きます。留守中だった香粒さんの状況を踏まえて、 郵便受けに寒中見舞いが 時雨静かにつぶやく如く 手編みセーター昭和の香り 松枝さんはお洒落で、昔のセーターが白髪にとても似合っておられました。僭越ながら思うままに勇気を持っての投稿です。 | |||
eiko yachimoto 2023/02/11-07:16 No.[4008] | |||
追悼連句とは知らずにいたことをもうしわけなくおもいます。ご逝去に驚き、思い出をたどっております。 ふふむほほえみ嗚呼春隣 瑛子 | |||
海紅 2023/02/11-12:38 No.[4009] | |||
【前句を丁寧に読む】俳句が嘱目(目に触れたもの)をしっかり見なければいけないと同じように、連句はとにかく前句を丁寧に読んで、その味わい(Taste)から逸れないことが肝要。発句は次の二点で出来ている。@訪ねたが留守だった。Aそこの主が大切にしている植木鉢には冬芽がいくつも出ていて、イキイキとしていた。 留守はやや残念な事態だが、鉢の冬芽は多年草で、春の開花を約束する明るい景色である。この@Aの気分を引き継ぐ脇句が望ましい。つゆ草さんの三案で、それに叶うのは「時雨」。それをいただいて「時雨の後の屋根のまぶしさ」とさせてください。時雨は一過性の小雨という理解です。次はボクに付けさせてください。 | |||
海紅 2023/02/11-13:26 No.[4010] | |||
【付句の作者について】通常の句会では、自分の句を修正されたりすると気分が悪い人が多いと思いますが、ここはワークショップ(勉強会)、つまり前句(他人が考えた句)にどう向き合うかという、付句の呼吸を学習する場と考えて、作者名は記号ほどの意味と御理解ください。つまり、めげないで絡んできてください。 | |||
つゆ草 2023/02/11-15:21 No.[4011] | |||
本当は先生が脇句を付けるべきが出しゃばってしまいました。申し訳ありませんでした。でもとっても良い句となり感謝です。皆様もどうぞ、先生が直して下さるので、安心してこの追悼連句に参加して下さい。 | |||
海紅 2023/02/12-10:47 No.[4012] | |||
【どこへ行こうか】「ぢつと手を見る」(『一握の砂』)じゃなく、〈ぢつと前句を見て〉さて、第三(句)ではどこへ行こうか、どこへ飛ぼうか。「留守庭に冬芽の揃ふ小さき鉢」 「時雨の後の屋根のまぶしさ」という二句を息吹(生気・明るさ)で繋いだつもり。この気配を捨てずに、住居から離れれば、発句・脇と繋りながら転じることになるのではと考えた。 | |||
海紅 2023/02/12-11:03 No.[4013] | |||
【季節はどうする?】四季のどこでもいいヨ、とまずは答えておこう。夏の灼熱や秋の寂しさは似合わないが、冬の明るさが続いてもいいし、春のそれでもよいだろう。そんなことに迷っているうちに、古人は無季(季節に属さない)世界を編み出した。これなら発句・脇と結んでも違和感はないし、第四句以降に移りやすくなる。 | |||
海紅 2023/02/12-17:26 No.[4014] | |||
【冬を締めくくる】迷った挙句、脇句にある「屋根」にひかれて、月に鳴く猿を詠んで、冬の句の締めくくりにします。「月冴ゆる」は冬のことばです。 追悼「留守庭に」歌仙 留守庭に冬芽の揃ふ小さき鉢 香粒 時雨の後の屋根のまぶしさ つゆ草 電線を猿鳴きわたる月冴えて 海紅 次の七・七は雑(無季)でなにか思いつけばお願いします。 | |||
かじわらまみ 2023/02/13-08:46 No.[4015] | |||
香粒さんの追悼連句に参加したいので出してみます。 時雨の後の屋根のまぶしさ 電線を猿鳴きわたる月冴えて SOSのカーサイン貼る ジグソーパズル床に散らかす | |||
貴美 2023/02/13-08:48 No.[4016] | |||
四句目を考えてみました。勇気を出しました。 人生の大先輩でもあった松江さんをしのんでいます。 友の背中の光りやはらか 引き戸の外に夜の明けゆく | |||
エール 2023/02/13-15:25 No.[4017] | |||
香粒さんへ追悼の意を込めて、参加させていただきます。 初心者ですが、よろしくお願いいたします。 月冴えるから明け方になり、東雲を思いつきました。 朝餉の玉子東雲の空 東雲の海渡る釣舟 | |||
海紅 2023/02/13-18:19 No.[4018] | |||
【海紅思案】 1)「SOS」のカーサイン(ステッカー)ってあるのかなあ。 2)発句と脇の住まい(床)には戻りたくないなあ。 3)「背中の光り」は抽象的でわかりにくいなあ。 4)夜明けのスケールは「引き戸の外」より大きいはずだと思う。 5)「朝餉」と「東雲」の絵柄の重なりを避けたい。 でも、せっかくのチャレンジを無駄にしたくないので、エールさんの「釣舟」をヒントに「早起きをして垂らす釣り糸 エール」ということで一歩前に進みましょう。前句の「月冴えて」と「早起き」が響き合うはずです。海紅の思案から、何かのヒントをつかんでください。 次の長句も雑(無季)で参りましょう。釣果を思えば、めでたく初折(1ページ)の六句が終われそうな気配。めげずに御参加ください。 | |||
エール 2023/02/13-19:51 No.[4019] | |||
東雲はいらなかったのですね。 釣りだけなのにエールとしていただき ありがとうございます。 | |||
尾崎喜美子 2023/02/14-10:57 No.[4020] | |||
皆さま、おはようございます。 恐る恐る参加させていただきます。 早起きをして垂らす釣り糸 エール * 何処までも歩いて行かふこの道を 喜美子 | |||
海紅 2023/02/15-17:17 No.[4021] | |||
【前句という物語の、二行目をください】 芭蕉会議の生母とも聖母とも評される喜美子さんの付句に敬意を表して、以下のように遊んでみました。付句は〈前句という物語の二行目〉です。それで喜美子さんの句を6句目で生かすために、ボクが出しゃばって5句目を工夫しました。5句目は「月の定座(指定席)」というルールがあるのに、「月」は3句目に出ちゃったので、〈月ほどではないが、やはりめでたい「鯛」〉を出してふざけてみました。釣り糸→鯛・芭蕉会議→この道、という展開のつもりです。 4 早起きをして垂らす釣り糸 エール 5 鯛一尾芭蕉会議でもてなさん 海紅 6 この道を来てこの道をゆく 喜美子 | |||
海紅 2023/02/15-17:35 No.[4022] | |||
【初折のウラへ】 発句から6句目までを慎ましくすすめたつもりです。初折のウラ(1句目から12句目)は香粒さんのヒトトナリや思い出を含めて、気楽な連想ゲームを楽しまれては如何でしょうか。季節は冬以外(春・夏・秋)でお願いします。 | |||
尾崎喜美子 2023/02/15-22:34 No.[4023] | |||
海紅先生有難うございました。 唯、身に余るお言葉には身のすくむ思いです。 皆様の香粒さんの思い出を伺いたいと楽しみにしております。 | |||
中里 蛙星 2023/02/16-01:39 No.[4024] | |||
海紅先生、会員の皆様、ごぶさたしております。蛙星です。 僕は香粒様とは面識は無いのですが(と言うより、芭蕉会議ではどなたともお会いした事が無いです。すみません)、同じ俳文学を愛する者として、それに香粒様への追悼の意も込めまして、自分なりに考えた一句を投じさせていただきます。 やはらかきものにつつまれ春の宵 蛙星 発句を拝見した印象で、香粒様は柔らかく、優しいお人柄だったのでは…?と感じ、詠んでみました。 もちろん自分の勉強の為でもあるので、添削(または却下)も承知の上です。自分のような青二才が生意気かもしれませんが、どうぞよろしくお願い致します。 | |||
美知子 2023/02/16-11:32 No.[4025] | |||
香粒さんは白山句会で先生に2句選んでいただいたこと、どんなに喜ばれたことでしょう。きっと豊かな穏やかな気持ちで旅立たれたことと思います。 人生の最後に芭蕉会議で学べたこと、とてもよかったと話していました。、身のまわりの始末をきちんとなさって、「静かに行きます」とおっしゃていた香粒さん。きっとにこにこしながら、見ていらっしゃいますね。そんな気持ちを思いながら、連句苦手な私が思い切って投稿します。 九十路旅きりり荷ひとつ春うらら 九十路ゆく師の言の葉と春の陽と | |||
海紅 2023/02/16-17:20 No.[4026] | |||
【俳諧は三尺の童にさせよ】 蛙星さん、お待ちしていました。面識がない時間はお目にかかる楽しみを募らせます。また、蘇らない時間は詩歌の中に創造することで、永遠を夢みることも可能です。芭蕉は「俳諧は三尺の童にさせよ、初心の句こそたのもしけれ」(三冊子・赤)といっていますから、青二才で居続けることの方が大切で難しいかも。みんなすぐ俳句上手になってしまいますからね。 「やはらかきものにつつまれ春の宵」を初裏の第1句としていただきます。始まりはこのように穏やかな作がありがたい。ただし、「つつまれ」なくても、「春の宵」そのものが「やわらか」であるとし、香粒さんの面影も添えて以下のように致します。 5 鯛一尾芭蕉会議でもてなさん 海紅 6 この道を来てこの道をゆく 喜美子 1 やはらかきもの春宵と人柄と 蛙星 美知子さんの付句は人生の終焉を匂わせますので、もう少し後半で取り上げたいと思います。次は春宵・人柄を凝視して、美しい人生を綴っていただければありがたい。そのためには、やはり春季が似合うと思います。 | |||
中里 蛙星 2023/02/16-18:40 No.[4027] | |||
海紅先生、ありがとうございます。 いつまでも初心を忘れず、これからも勉強させていただきます。 どうぞよろしくお願い致します。 | |||
美知子 2023/02/16-20:14 No.[4028] | |||
蛙星さん こんにちは 香粒さん、喜んでいらっしゃると思います。 先生、ありがとうございます。おっしゃる通りです。展開 楽しんでいきます。 | |||
かじわらまみ 2023/02/18-10:19 No.[4029] | |||
どう付けたらいいか難しいですね…。 この道を来てこの道をゆく やはらかきもの春宵と人柄と 卒業祝ふコーラスの歌 東風吹くたびにさらさらの髪 | |||
海紅 2023/02/19-11:47 No.[4030] | |||
【打越を離れる】 付句は打越(前句の前の句)から離れて、物語を先へ先へと進めたい。連句はそんな文芸です。 その観点では「卒業」「東風」が打越の「この道」の傍にありそうな世界ゆえ断念します。 停滞を嫌って、ボクが香粒さんの時代に寄せてみます。もう一句、晩春をください。 6 この道を来てこの道をゆく 喜美子 1 やはらかきもの春宵と人柄と 蛙星 2 昭和初年の紙雛といふ 海紅 | |||
海紅 2023/02/19-11:54 No.[4031] | |||
【前句の人物の行為】 前句「やはらかきもの春宵と人柄と」中の人物が、大切に保存してある紙雛を見せてくれたという物語です。 | |||
窓花 2023/02/20-00:03 No.[4032] | |||
相澤先生作成のプリントを脇に置き、いつも優しく背中を押してくれた松江さんのことを思い出しながら、 1 やはらかきもの春宵と人柄と 蛙星 2 昭和初年の紙雛といふ 海紅 (案) ・花篝ナイトガウンのドレス着て ・夏隣助手席の妻腹膨る 先生よろしくお願いいたします。 | |||
エール 2023/02/20-01:03 No.[4033] | |||
やわらかな物から離れ、人からも離れ、 昭和を感じる。 連想ゲームの様ですね。 晩春にならず、的外れとは 思いますが、思い切って出します。 消へゆきしろばのパン屋の春の音 | |||
海紅 2023/02/20-12:17 No.[4034] | |||
【恋の句を誘導する】 1)「花篝」も「春の音」も「春宵」(打越)に戻ってしまう。「腹膨る」は満腹か、妊娠か、また前句との繋りにも迷います。 2)「それを早く言ってくれよ」と怒られそうですが、古来そろそろ恋の句を詠む場面です。その誘導を目的として、ボクがもう一句連続して出しゃばります。大掃除は晩春の季語です。さらに恋の物語を一句か二句続けてください。 1 やはらかきもの春宵と人柄と 蛙星 2 昭和初年の紙雛といふ 海紅 3 大掃除済ませば嫁ぐ日も近し 同 大掃除をしていたら、昔の紙雛が出てきた、なんて感じかな。 | |||
尾崎喜美子 2023/02/20-17:19 No.[4035] | |||
難しいですが、めげずに行きます。 2 昭和初年の紙雛といふ 海紅 3 大掃除済ませば嫁ぐ日も近し 同 付け 漕ぎだすボート夏の海原 てをたづさへて夏の大空 | |||
中里 蛙星 2023/02/20-20:01 No.[4036] | |||
すみません。調子にのって、もう少し勉強させて下さい。 2 昭和初年の紙雛といふ 3 大掃除済ませば嫁ぐ日も近し 付け 梅雨空明けのあの人へ向け 浮かれ心に涼しげな風 | |||
eiko yachimoto 2023/02/21-11:42 No.[4037] | |||
無季ですが、いい日旅立ちからの連想です。 ○今もあの海みえるでしょうか? eiko | |||
かじわらまみ 2023/02/21-21:29 No.[4038] | |||
eikoさんと同じく無季ですが、こんなのどうでしょう。 大掃除済ませば嫁ぐ日も近し じかに触れたい胸の心音 抱いてほしいと甘えたる初夜 どれも大人びた夏の恋句で惹かれます。 | |||
つゆ草 2023/02/22-09:56 No.[4039] | |||
まみちゃんの句にドキリです。こんな句もありで良いのですね。私も無季で入れてみますが前句につくかが心配です。 大掃除済ませば嫁ぐ日も近し スマホ俱楽部に素敵な紳士 旅に誘われ老いらくの恋 香粒さんはスマホ教室に通っていたいた時優しい紳士がいらしたと言っていましたので。 | |||
つゆ草 2023/02/22-09:59 No.[4040] | |||
字が可笑しくなってしまいました。 スマホ俱楽部に素敵な紳士 です。 | |||
海紅 2023/02/23-09:25 No.[4041] | |||
【明日に対応します】 たくさんの付句案ありがとう。本日蕪村の絵の弟子呉春の「武陵桃源図」を観に行かないかと誘われて出かけますので、対応は明日にさせてください。 | |||
海紅 2023/02/24-22:09 No.[4042] | |||
【恋の句に季は無くもがな】 恋は人生最大の主題ゆえ季語などあろうがなかろうが知ったことじゃない。つまり無季でかまわない。ただし、 @「抱いてほしいと甘えたる初夜」の「抱いてほしいと甘えたる」は「初夜」に似合わず。また、前句のつつましさから飛躍しすぎ。 A「じかに触れたい胸の心音」の「胸の」は省略可能。 B「旅に誘はれ老いらくの恋」「今もあの海みえるでしょうか?」は早くも恋の終わりを告げそうなので遠慮。 C「梅雨空明けのあの人へ向け」「浮かれ心に涼しげな風」「漕ぎだすボート夏の海原」「てをたづさへて夏の大空」など、みな恋の景色弱し。 | |||
海紅 2023/02/24-22:10 No.[4043] | |||
【捌きの横暴を行使】 恋が難しいらしいと判断して、捌きのボクが、(香粒さんが聞かせてくれた話を面影にして)二句、以下のようにすすめます。次は恋を続けてもよいし、無季を続けてもよい。めげないで、〈前句に寄り添う〉訓練をしてください(これ、俳句のレッスンでもあります)。 2 昭和初年の紙雛といふ 海紅 3 大掃除済ませば嫁ぐ日も近し 同 4 いちどは添うてみよと言はれて 同 5 野辺送り終へ青春に悔いはなし 同 | |||
中里 蛙星 2023/02/25-00:22 No.[4044] | |||
早くも「連句の難しさ」という洗礼を喰らったような気分ですが、先生のおっしゃる通り、前句に寄り添う訓練が俳句のレッスンになるのなら…と、挫けずにチャレンジしてみます。 4 いちどは添うてみよと言はれて 5 野辺送り終へ青春に悔いはなし 前を向けよと言はれる如し まず一歩づつ進み行くのみ 見上げる空はあくまで高く ……「寄り添う」には程遠い気もしますが、勉強のためにこのまま投稿させていただきます。 | |||
海紅 2023/02/25-16:23 No.[4045] | |||
【恋の世界から秋季の展開へ】 「5野辺送り」は「4添うて」と結べば恋(夫婦)の世界。よって「6」ではその「恋・夫婦」から離れる必要がある。さて、蛙星三案をみると「言はれ」は「4言はれ」に戻るので断念。「一歩づつ進み行く」は初折「6この道」の世界と重なってしまうので遠慮します。とすれば、残る「見上げる空はあくまで高く」という句で先に進むことに。ただし、結句「あくまで(4音)/高く(3音)」というリズムは不安定。勝手ながら「あくまでも(5)/澄み(2)」と修正させてください。「空高し」「空澄む」も「天高し」と同義で秋季。よって、ここから三句ぐらいは秋の句を詠むことになります。「空」が出たので、次の長句「7」は「月」を詠んだほうがよいでしょう。なお、恋の句(3・4・5)は人事(人間に関する事柄)でべた付いて気持ち悪いので、純粋な秋の景色が出てほしい。よろしく。 | |||
海紅 2023/02/25-16:40 No.[4046] | |||
【以下のようになります】 4 いちどは添うてみよと言はれて 同 5 野辺送り終へ青春に悔いはなし 同 6 見上げる空はあくまでも澄み 蛙星 なお、場違いを承知で書き添えます。ボクはこうした日本文化に遊べることに深く感謝して日々を送っています。なろうことなら、この星から徴兵とか傭兵などという言葉が消える日が来ることを祈ります。 | |||
eiko yachimoto 2023/02/27-09:12 No.[4047] | |||
秋の付句を考えました。 露しとど香る生姜の白い花 谷巡る色なき風に富士の青 新涼の足指通る机下 瑛子 | |||
海紅 2023/02/27-09:30 No.[4048] | |||
【香粒さんの時代】 徴兵とか傭兵という言葉が出てビックリされたかもしれません。どこかに香粒さん追悼という気持ちをこめていたので出てきたつぶやきです。「海紅山房日誌」(2015、7、27)に【「戦争の放棄T◆茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」の「ね」】を書いたときに、ボクが驚くほど共鳴して、自分の青春と重ねて話をしてくれたことを忘れません。 | |||
海紅 2023/02/27-09:35 No.[4049] | |||
【半歌仙かな】 歌仙をめざして始めましたが、半歌仙(あと6句)で締めくくることにしましょうか。残りの六句に月の句と花の句が出るので、歌仙の味わいはほぼ達成できる。そのあと、今回のワークショップ批判や感想が残れば、この企画は成功だと思います。介入、よろしく。 | |||
かじわらまみ 2023/02/27-12:29 No.[4050] | |||
赤らんだ満月に鳴る時の鐘 名月にまず一献の純米酒 香粒さんが差し入れしてくださったお酒を全員で呑んだことがありました。 | |||
海紅 2023/02/27-14:50 No.[4051] | |||
【いろいろ直してゴメン】 以下のようになりました。 5 野辺送り終へ青春に悔いはなし 同 6 見上げる空はあくまでも澄み 蛙星 7 名月に差し入れらるる純米酒 真美 8 色なき風と説きたるは誰そ 瑛子 前句「6空」に縛られ(こだわり)、「7名月」とします。「露しとど」は名月になじます、「新涼」では秋の初めに戻ってしまう。そんで、「差し入れ」を採用し香粒さんの厚情に謝すことに。 「色なき風」は〈華やかさのない風〉という意。前句は月見の酒だから、〈古人は秋風を「華やかさに欠ける」と言ったが、そんなことはないぞ〉というふうに展開させてみました。秋三句が続いたので、次「9」は雑(無季)がありがたい。「11」では「花」を詠んで、明るく終わりたいので。 | |||
かじわらまみ 2023/02/27-18:08 No.[4052] | |||
お直しありがとうございます。月の座をいただいて恐れ多いですが、香粒さんに捧げられてよかったです。 皆さんと同様に最後まで勉強させていただきます。 | |||
eiko yachimoto 2023/02/27-21:08 No.[4053] | |||
そろそろ月の座とは思わず秋 の景を思い描きました.順番を変えて活かしていただき、嬉しいです.色なき風は透明で爽やな風と思っていたのでした.華やかでないという含意を知り目から鱗です。 瑛子 | |||
尾崎喜美子 2023/02/27-23:23 No.[4054] | |||
つい、昨日のことのように満面の笑みを浮かべながら、嬉しそうに話す香粒さんを思いだしながら考えました。 でも、発句や美知子さんの句にさわるでしょうか。 7 名月に差し入れらるる純米酒 真美 8 色なき風と説きたるは誰そ 瑛子 付け 高千穂へ一人旅すと誇らしげ スーツケースひっ提げ一人九州へ | |||
eiko yachimoto 2023/02/28-08:19 No.[4055] | |||
道のべのお地蔵様はニッコリと | |||
つゆ草 2023/02/28-11:20 No.[4056] | |||
もうすぐ終わってしまいそうなので、思い出を二つ。 カラオケの声艶やかに嬉しそに 青信号腰を伸ばして颯爽と 句会後のカラオケでは本当に楽しそうでした。何事にも積極的な方でした。 | |||
美知子 2023/02/28-12:59 No.[4057] | |||
なんと美しい展開なのでしょう。 他のことにかまけて読ませていただくだけで、投句までいかないでいました。香粒さんがご健在だったら、どんなに感激されただろうと、いまにもお電話がかかってきそうな気がいたします。実作が伴わないのですが、先生の解説、とても勉強になります。ありがとうございます。 | |||
中里 蛙星 2023/02/28-20:54 No.[4058] | |||
すみません。悪あがきとは承知の上で、もう一つ付け句の案を投稿させて下さい。 7 名月に差し入れらるる純米酒 8 色なき風と説きたるは誰そ 紅をさす旅行支度の薄化粧 よろしくお願い致します。 | |||
美雪 2023/03/01-13:39 No.[4059] | |||
句会の前に、土手に座って 「ちょっと 腹ごしらえしてから会場に行きます。先に行って下さい」と 笑いながら言っていた香粒さんを思い出しています、 赤が好き赤いコートで片手におにぎり 美雪 連句は、よく分からないのですが、句会場が芭蕉会館だった時の香粒さんのエピソードを句にしてみました。 | |||
海紅 2023/03/01-16:51 No.[4060] | |||
【感想や批判をして学習のおさらいを】 末尾を序破急の「急」と見定め、まことに勝手ながら、冒頭のように半歌仙を終えます。批判や感想を述べて、今後の芭蕉会議を力づける糧としていただければ幸いです。 香粒さんの御冥福を祈りつつ、 | |||
eiko yachimoto 2023/03/01-18:23 No.[4061] | |||
急も急、電光石火の 満尾 を小気味よく感じております。 「連句という素敵な詩を生かしてゆくにはイノベーションにつぐイノベーションが要る」と いう海紅先生の卓見に深くうなづいている私ですので、かねがね、一度捌かれてみたいとおもっておりました。 今回初めて念願が叶いました。 一番苦手なことですが、文字通りすべてを委ねる受け身態で座に連なることができました。 いろいろ考えないことの気楽さを体験させていただきました。 香粒さん、ありがとうございます。 「連句は究極のところ捌きの作品」と先生が常々おっしゃっていたことはこういうことなのですね。 豪快でした。 わたしには真似ができません! 海紅先生、みなさま。香粒さんを囲んだ稀有な座を、ありがとうございました。 祈りのうちに。 瑛子 | |||
中里 蛙星 2023/03/01-18:38 No.[4062] | |||
お世話になっております。蛙星です。皆さま連句会、お疲れさまでした。 僕は連句に興味はあったものの、経験はなく、今回初めて参加させていただきました。とても難しかったですが、俳句とは似ているけど少し違った楽しさも感じました。 先生の捌きも秀逸で、後半9~12(ラスト)まで、色々な付け句案が出ている中「どうやってまとめる(捌く)のかな…?」と興味津々でしたが「9 おにぎりを買ひ墨堤に腰おろし」から「12 お地蔵さまも眠たげな春」…と、さすが!と唸るしかない捌き方は圧巻で、とても感動しました。 そんな中に微力ながら参加させていただけた事、感謝致します。ありがとうございました。また「言葉のリズムの大切さ」も勉強になりましたので、俳句の方でもがんばります。 長くなりましたが、海紅先生、会員の皆様へ感謝すると共に、香粒様のご冥福をお祈り致します。 合掌 中里蛙星 | |||
かじわらまみ 2023/03/01-19:05 No.[4063] | |||
満尾おめでとうございます。お捌きお疲れさまでした。 細かいルールに縛られず付けられて楽しかったです。連衆の皆様の付句案や捌き方に感銘を受けながら連句を勉強できました。参加させていただきありがとうございました。 強いていえば、月や花の座は指名されたほうが付けやすいのではと感じました(付句案がほとんど出なかったため)。 また恋句を出すのは恥ずかしさもあるので、具体的にどんな恋が欲しいのかもう少しヒントをいただけたら考えやすかったと思います。 長々と書いてしまいすみませんが、この半歌仙で改めて香粒さんを追悼したいと思います。企画ありがとうございました。 | |||
つゆ草 2023/03/02-09:25 No.[4064] | |||
満尾おめでとう御座います。そして有難う御座います。想像力に乏しい私は前句に付ける言葉が見つからず、思い出話しか出来ませんでしたが、先生の御力を借り2句も入れて頂き感謝です。 朝日カルチャーに行っても前列2番目にいつも座っておられた後ろ姿がこれからは見られず、寂しい限りですが、此の様な連句が出来た事で、さぞかし天国で喜ばれている事と思います。連句はやはり難しいのですが、楽しさも改めて実感しました。半歌仙もなかなか良いものですね。 | |||
尾崎喜美子 2023/03/02-10:37 No.[4065] | |||
海紅先生 皆さま 有難うございました。 それにしても、最後の急展開はすごい。 皆様の中で香粒さんが躍動しているようで、とてもうれしかったです。 発想が貧しく、回転速度も皆さまについていけないので、連句には相変わらず苦手意識がありますが、皆様と一緒に楽しみ、くるしむことができてよかったとおもいます。 今1度、有難うございました。 | |||
千年 2023/03/02-22:20 No.[4066] | |||
忙しさにかまけて参上できず失礼いたしました。 鯛一尾芭蕉会議でもてなさん 海紅 この道を来てこの道をゆく 喜美子 やはらかきもの春宵と人柄と 蛙星 この運びに香粒さんの面影が浮びました。おかげさまで一服する余裕を取り戻せました。 | |||
佐藤馨子 2023/03/05-21:55 No.[4067] | |||
海紅先生 皆様 冬芽から暖かい春へ・・・香粒さんの人生の四季を辿らせて頂き清々しい気持ちになりました。有り難うございました。 海紅先生の付けと転じの解説に「なるほど!」と、ただ唸るばかりで参加は叶いませんでしたが、皆様の思い出の中の香粒さんにお会いすることが出来ました。 香粒さんのご冥福をお祈りいたします。 | |||
貴美 2023/03/08-16:08 No.[4068] | |||
海紅先生 皆様 連句ワークショップ、そして香粒さん追悼歌仙を有難 うございました。実作は出来ませんでしたが、一緒に 楽しませていただきました。 先生の解説は、疑問であろうことに丁寧に説明を加え られ大変勉強になりました。 発句の「留守庭に冬芽の揃ふ小さき鉢」に良い句だな ぁと感心していたら、「時雨の後の屋根のまぶしさ」 と脇句!その爽やかで光を湛えた世界にいっぺんに引 き込まれました。まさに追悼にふさわしい出だしでし た。 其の後の見事な捌きの半歌仙は、瑛子さんの言う電光 石火のごとくでした。 花吹雪の句と挙句は暖かなものを心に残してくれまし た。 旅立った人を悼み人々が集まって詩を詠みあう。こん なことは人間にしか出来ないことだと、この歌仙を何 度も読み直しながら私はひとり少し感動しています。 | |||
eiko yachimoto 2023/03/16-12:11 No.[4069] | |||
*久しぶりにforumをのぞき、根本さまの投稿をゆっくりしっかり 読まなければという思いでいます。 *海紅先生の 「追悼半歌仙をまだ格納していない」という投稿を 読み、ひとつだけ 最初に言いそびれたことを書こうとおもいます: 裏の恋の流れの最後に『野辺送り終え青春に悔いはなし」という ツケがあります。伴侶を看取った方の述懐なのでしょうか? 私は鈍いらしく、こう読み解くにも時間がかかりましたし、この読みも 間違っているかもしれません。自分で読むときにはしらずしらず 〜のべ送りああ青春に悔いなけれど〜 とVariation を作っていたような気がします。 ○それよりなにより、貴美さんの投稿に深く共鳴しております。付句をつなぎ、ひとつの詩を紡ぐ中で、わたしたちの中心に松江さんが いらした座が現出したことを忘れません。 瑛子 | |||
海紅 2023/03/19-16:35 No.[4070] | |||
【瑛子さんへの回答】 御明察です。どこで情報を仕入れるのか、香粒さんは都内に限らず地方の講演予告まで承知していて、ボクが演壇に立つとよく受講者席にいた。その結果数十年に及ぶ交流になって、身の上をいろいろ聞くことに。それで、彼女の生涯を少し盛り込みたくて、分かりにくい恋句の展開になったかも。みんなで一座して巻けたら、もう少し丁寧に捌けたかもしれません。御海容願います。 | |||
海紅 2023/03/24-16:29 No.[4071] | |||
そろそろ格納してもらおうと思います。なお、付合の経過は保存しませんので、必要な方は3月中にコピーして各自保存をお願いいたします。 御参加感謝申し上げます。またの機会があることを祈りつつ(畢) | |||