■白山句会4月ネット句会 白山句会 2017/04/16-17:12 No.[1744] |
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白山句会4月ネット句会 | |||
伊藤無迅
2017/04/16-21:35 No.[1745]
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◆◆ 白山句会4月例会互選結果 ◆◆ *句の下段<〇〇>が選者名です。 *欠番は残念ですが選が入らなかった句です。 *作者名は海紅選発表時(24日)併せて行います。 2 エレベーター床にひとひら花の風 <智子> 3 オカモチの花こぼし置く出前かな <千年、ひぐらし、うらら> 5 くり返す翁の一句桜花 <ひろし、月子> 6 くれなゐは天恋ふる色糸桜 <啓子> 7 幼子は駆ける桜は降りしきる <梨花、美知子、酢豚、ひぐらし、瑛子、啓子> 10 ジーンズの花衣なる風の駅 <梨花、千年> 14 ダンボール運ぶ頭上に花三分 <美知子、喜美子、酢豚、啓子、松江、由美、うらら> 15 バス停にひろがる花の噂かな <梨花、無迅、しのぶこ、由美> 16 ひとひらの花に始まる授業かな <ひろし、静枝、しのぶこ、瑛子、窓花、貴美> 17 ヒヨドリのついばむところ花の揺れ <松江> 18 ふるさとも桜の花で元気かな <酢豚> 22 宴席を避けて独りの桜かな <窓花> 23 屋根屋根を越えて一村花の山 <静枝、しのぶこ、美雪> 24 仮装して部活勧誘桜東風 <月子> 25 花の雨点になるまで見送る背 <無迅、喜美子、智子、つゆ草> 26 花の雨旅立つ友の車列かな <むらさき> 27 花の下西行とある千歳かな <山茶花、貴美> 29 花を見る杖の人あり絵にしたし <ひぐらし> 32 花鳥の浮かれてゆらす小枝かな <ひぐらし、しのぶこ、春代> 33 花便り背中押されて旅衣 <智子> 34 花満開津軽三味線ひびく午後 <むらさき、春代> 35 花冷えや役行者の陀羅尼介 <智子> 36 花冷や五十年めの同窓会 <梨花、春代> 37 海峡も人もさくらの雨に濡れ <梨花、無迅、山茶花、瑛子> 38 絵筆よりこぼれ咲きたる花便り <静枝、瑛子、啓子、美雪> 40 崖の下は児童図書館花吹雪 <ひろし、ひぐらし> | |||
伊藤無迅 2017/04/16-21:36 No.[1746] | |||
42 吉兆か日のきらきらと桜満つ <つゆ草> 43 吉野山行ってみたやと幾年も <山茶花> 45 仰ぎ見る昨日の桜今日の雨 <春代> 47 肩車 届かぬ桜 父困り <智子、窓花、美雪> 48 見あげれば花びらの間に大熊座 <うらら> 49 校庭を去り難き人花の蕊 <由美> 53 今の世に不安ふつふつ花曇 <静枝> 54 この傘も落花の雨を来たるらし <無迅> 57 桜湯のふくふく揺れて碗しずか <千年、つゆ草、瑛子、貴美、うらら> 59 笹舟に花弁のせて野に遊び <美雪> 60 雑踏を避けて一人の落花かな <静枝> 63 初めての口紅を点し宵桜 <無迅、喜美子、ひろし、美雪> 64 初桜九品の弥陀に見えけり <むらさき> 65 祥月や僧の衣に花の風 <ひろし、つゆ草> 66 城壁の崩れても有り花見客 <月子> 68 人の世をそはそはさせてゐる桜 <しのぶこ> 69 人逝きて後のまどひや花の昼 <千年、つゆ草、由美> 70 川を見て空を見ている花見かな <松江> 75 駐在の巡査見上げる夕桜 <酢豚> 76 定年の花束重し宵の花 <美知子、松江、春代、由美> 78 芭蕉句碑年々深く抱く桜 <貴美> 79 廃屋の不意の更地や朝桜 <美知子、喜美子、月子、むらさき、窓花> 80 風さらう 花がひとひら 友の髪 <山茶花、窓花> 83 桜花まふカメラは先に笑めといふ <松江> 85 養花天眠らんと泣く赤子かな <月子、貴美> 89 この靴も落花の道を来たるらし <美知子、喜美子、酢豚、山茶花、千年、むらさき、啓子、うらら> | |||
伊藤無迅 2017/04/17-14:44 No.[1747] | |||
皆さんから鑑賞が寄せられてないようなので、小生が口火を切りたいと思います。 15 バス停にひろがる花の噂かな 花を詠む際の視点は多岐にわたるが、この句は驚いてしまった。一読した時は直接花を詠んでいない句と判断しスルーした。が、気になるのでいちおう抜いておいた。再び読み直すと花の存在が大きく浮かび上がってくる不思議な句であることに気付く。多分バス停付近に花はないのだが、間違いなくこの句の主役は花で、しかも大きな花の存在が読み取れる。さらに噂になっている花の名所は何処だろう。またバス停で噂話に花が咲くほどだから都心ではなく郊外だろう・・・などの想像が拡大する。つまり、これは間違いなく佳句と思い戴きました。 | |||
啓子 2017/04/17-20:18 No.[1748] | |||
89 この靴も落花の道を来たるらし 脱いだ靴が並べてある。本堂の句会であろうか。作者はそこまで落花を踏んで到着したのだろう。ふと見ると先に一組花屑のついた靴がそろえてある。同じく落花の道をたどって来られたのだろうと思いを馳せる作者。「靴」という物に託して花を語らせている。 | |||
根本文子 2017/04/17-22:24 No.[1749] | |||
無迅さん 私の選句、梨花でも文子でも届いていないようですが どうしたのでしょうか、14日に送信したのですが、 もう一度、無迅さんの個人メールに送信しても好いですか?私以外でもそのうような方はいないでしょうか? | |||
伊藤無迅 2017/04/17-22:38 No.[1750] | |||
根本様 手数ですが、もう一度送ってください。 他に同様な方がおりましたら、ご一報ください。 | |||
伊藤無迅 2017/04/18-00:41 No.[1751] | |||
根本さん 失礼しました。 他におられましたらご連絡ください。 | |||
根本文子 2017/04/18-07:46 No.[1752] | |||
無迅様 もしかしたら、届いたということでしょうか? いずれにしても、今回の初めてのネット句会がこんなに盛り上がって素晴らしいですね。「新しもの好き」な私としてはとても嬉しいです。無迅さんの頑張りのおかげです。結果的に水をさす状況になるのは本意ではありませんのでどうぞ私にお構いなく、合評を続けて下さい。大事なことは芭蕉会議の発展ですね、梨花(文子)。 ですね。 | |||
eiko yachimoto 2017/04/18-09:18 No.[1753] | |||
89から84もの句を選外とするなら基準を持ちたいと思いました。(意味がわかり景が見える/深さがあるか/リズム、律、鼓動/挨拶が伝わるか/新しさは? /きがつけば余韻に浸る?などなど。) === この靴も落花の道を来たるらし この傘も落花の雨を来たるらし *この2句とも素晴らしく、選びたかったのですが、選べませんでした。組み立てが同じであることについ、引いてしまった私、俳諧に一番大切な自在さが足りなかった!と反省しております。 廃屋の不意の更地や朝桜 *鮮明な景に惹かれ最後まで迷いましたが。。。 幼子は駆ける桜は降りしきる 散る花びらの動きには毎年見とれます。なんとも言えない軽やかさ、命のある動き方、滑走というような 感じで道を超速で浮き移動します。それらを見事に 表現している 句です! 選ばせていただきました。 | |||
美知子 2017/04/18-11:05 No.[1754] | |||
ダンボール運ぶ頭上に花三分 新年度が始まり、引越しの季節。花三分で開いてゆく夢や希望も感じられて、いいなあと思いました。桜の季節は人生の句読点でもあるのですね。感慨深いもの。 定年の花束重し宵の花 幼子は駆ける桜は降りしきる 桜は躍動感が感じられる句がいいですね。瑛子さんと同感です。 廃屋の不意の更地や朝桜 桜が咲いて、初めてここに桜があったのかと気づかされますが、そこに家があったときは気づかなかった桜の存在。取り残された桜も朝桜となると、新鮮な気がします。余韻を感じます。 どれもいい句で迷いました。桜の季節、思うことは人様々。明るい句に元気づけられました。 瑛子さま 論文を読む会の読後欄でありがとうございました。すぐ書き込みたかったのですが、この欄に割り込んでしまうので遠慮していました。ちょっとここをお借りして。 | |||
つゆ草 2017/04/18-14:57 No.[1755] | |||
この初めてのネット句会に少し戸惑いましたが、投句の多さにビックリと共に、選句も大変でした。佳句が多く、私も「バス停・・」と「この靴も・・」も選んでいたのですが、他を最終的に残しました。 「花の雨点になるまで見送る背」 は、ロマンと哀愁とが混在し、とっても花の雨の季語が生かされた情景の浮かぶ句と思いました。また、 「人逝きて後のまどひや花の昼」 は、亡くなった人を偲ぶ哀しみと華やかに咲き満ちた桜の対象がすばらしいと思いました。 | |||
しのぶこ 2017/04/18-14:59 No.[1756] | |||
68 人の世をそはそはさせてゐる桜 「そはそはさせてゐる」のひと言で、桜の季節の人々の様子があらわされていると感じました。 何度も繰り返し読んでみると、いいと思う句が変わりますね。どの句にも捨てがたい花が見えました。 | |||
酢豚 2017/04/18-23:20 No.[1757] | |||
89 この靴も落花の道を来たるらし 先客の靴に花びらが・・・気がつけば自分の靴にも。 同じ道を歩いてきた先客との心の通い会い。これからの出会いが楽しくなりそうだ。 | |||
松江 2017/04/19-08:38 No.[1758] | |||
83桜花まふカメラは先に笑めといふ 良き日の軽やかな空気がほほえましい。十七文字がまるで映画のひとこまのように広がるのに驚きます。 | |||
松江 2017/04/19-09:16 No.[1759] | |||
83 桜花まふカメラは先に笑めといふ 良き日の軽やかな空気がほほえましい。 十七文字がまるで映画のひとこまのように広がるのに驚きます。 | |||
大江月子 2017/04/19-09:47 No.[1760] | |||
私は次の5句を選びました *くり返す翁の一句桜花 桜の句を案じる時必ず芭蕉翁の「さまざまのこと思い出す桜かな」 を思い出します。そういう意味も込めて詠まれていい一句です。 *仮装して部活勧誘桜東風 新学期の若者たちの動きが様々に展開されています。 *城壁の崩れても有り花見客 熊本城を意識して詠まれた句かもしれませんが 城壁が崩れるという言葉は日本の栄枯盛衰と時の流れを感じさせ それでも桜は咲き人々は興じるという大きな句だと感じます。 *廃屋の不意の更地や朝桜 どこでも見られる最近の日本の風景ですが、朝桜のもつ 朝、露をおびて咲いた美しい桜という季語が、人の世の 仕方のなさを桜に託すようで爽やかな句と感じます。 *養花天眠らんと泣く赤子かな この句が5句の中で私の特選でした。 89句の中からほぼ迷うことなくこの5句を選びました。 花の句を並べて、ここでは花見客以外の、 桜花、桜東風、朝桜、養花天、これらは花の季語として きちんと説明されており、私自身、後からの発見になったのですが 花の季語を575に詠み込んだことが句の落ち着きや、格調の 高さになっているのではないかと解釈しています。 *それにいたしましても楽しい花の句会です! | |||
伊藤無迅 2017/04/19-11:32 No.[1761] | |||
37 海峡も人もさくらの雨に濡れ なんか演歌に出てきそうな光景ですが、一読して広大なスケール感 に包まれました。海峡なんてなかなか使えない言葉ですが、旅先で の一句でしょうか。「さくら」が、一句全体の暗さを救っているよ うに思います。 昔、青函連絡船から函館の桜を見た時を思い出しました。 | |||
eiko yachimoto 2017/04/19-12:07 No.[1762] | |||
まあ、無迅さん、私は 「シェルブールの雨傘」 という若かりし日のカトリーヌ・ドヌーブ映画を 想いました。 桜って、濡れている姿は かなり切ない雰囲気を醸します、けれど暗くはなく 甘さがあります。 月子さん、本当に楽しい句会ですネ! | |||
伊藤無迅 2017/04/19-12:36 No.[1763] | |||
瑛子さん シェルブールの雨傘、ドヌーブか・・・・、涙が出そうですね。 シェルブールの雨傘の鑑賞もいいですね! | |||
千年 2017/04/19-13:23 No.[1764] | |||
「バス停にひろがる花の噂かな」 とりそこないましたが、「花便り」ではなく「花の噂」がバス停の連衆心を表していますね。バス停一期一会の「構えない」(海紅先生)一句でありました。 「この傘も落花の雨を来たるらし」 この句については、「雨」が余計ではないかと思いとりませんでした。この傘も落花のなかを来たるらし、とか。ただそうすると、北島三郎の花吹雪ではないですが、花が多すぎるか?やはり「落花の雨」でよかったか! | |||
山茶花 2017/04/19-14:06 No.[1765] | |||
(43) 吉野山行ってみたやと幾年も 過去に吉野山に行ったのですがあまりの人の多さとその内と軽い気持ちでいまだに実現していません同じ想いの人の句にびっくりしました。 | |||
千年 2017/04/19-17:12 No.[1766] | |||
3 オカモチの花こぼし置く出前かな この句は、●オカモチの花の出前ともなりぬ といった感じでおもしろかったです。 | |||
美知子 2017/04/19-18:15 No.[1767] | |||
千年さん いつも楽しい評を読ませていただいています。 オカモチの花こぼし置く出前かな 私もこの句を真っ先にいいなと思ったのですが、5句を選ぶうちに落としてしまいました。 出前持ちのおじさんの呑気な顔を思わず思い出しました。長いこと待たされて「へい、お待ち〜」なんて。桜に見とれていたのでは。なんだか落語のネタになりそうな。のどかな風景は見えていいですね。適度な「軽ろみ」。にくいですね。「こぼし置く」作者のお話、伺いたいと思いました 。 | |||
宇田川うらら 2017/04/19-23:01 No.[1768] | |||
48 見あげれば花びらの間に大熊座 写生句としてとても素直で美しい句だと思いました。 夕間暮れ、影絵になった花びらの隙間からキラリ光る星座。大熊座は、神の子を宿してしまったニンフが女神の怒りを買い、そのために熊の姿にさせられたというちょっと哀しい神話もあるのだとか。そんなことも思いながら味わうとまた一層魅力的な句です。 | |||
千年 2017/04/20-02:04 No.[1769] | |||
48 見あげれば花びらの間に大熊座 この句も最初◎だったんですが、「花」と「大熊座」と二つ焦点があって、遠近両用メガネを使わなきゃいけないと思い外したのですが、うららさんの評を読み、「花」ではなく「花びら」としたところが、今咲いている花と星座をとりあわせた新しい句になってますね。 後、美知子さんのご指摘のように3の句は「こぼし置く」という言葉に愛があるんでしょうね。 | |||
eiko yachimoto 2017/04/20-07:42 No.[1770] | |||
なるほど、うららさん! おかげさまで星座の句から エッチングの挿絵のようなイメージが見えてきました。 thanking you. | |||
千年 2017/04/20-09:10 No.[1771] | |||
85 養花天眠らんと泣く赤子かな 月子さんの特選句。「養花天」→「花曇」。養花天という言葉になじみがないのでスルーしたのですが、花曇ではなく養花天とした方が「眠らんと泣く赤子」に対して宇宙と命といった広がりがでていますね。「眠らんと泣く」命に対して「花」が活きてきますね。 | |||
伊藤無迅 2017/04/20-10:28 No.[1772] | |||
「海紅先生の参考意見」(その1) ここで海紅先生の添削資料を預かっていますので皆さんにご紹介したいと思います。なお、先生からは「あと一歩でよい句になると思うものをあげて、学習のために参考意見をつけました(国語教師の御節介ですが、芭蕉会議の芭蕉会議らしいところとも自負しています)」とのコメントが添付されていましたので併せて紹介させて頂きます。 2 エレベーター床にひとひら花の風 →「エレベーター床にひとひら」までは合格。 5 くり返す翁の一句桜花 →「くり返す翁の一句」までは合格。 7 幼子は駆ける桜は降りしきる →「幼子は駆ける」までは合格。 10 ジーンズの花衣なる風の駅 →「ジーンズの花衣なる」までは合格。 13たまきはる千本桜渺々と →「たまきはる千本」までは合格。「渺々と」は無駄。 20もちなほす母の消息花えんどう →「もちなほす母の消息」までは合格。 24 仮装して部活勧誘桜東風 →「仮装して部活勧誘」までは合格。 25 花の雨点になるまで見送る背 →「花の雨点になるまで見送る」までは合格。 26 花の雨旅立つ友の車列かな →「花の雨旅立つ友の車列」までは合格。 29 花を見る杖の人あり絵にしたし →「花を見る杖の人あり」までは合格。 37海峡も人もさくらの雨に濡れ →「海峡も人もさくらの雨」までは合格。 38絵筆よりこぼれ咲きたる花便り →全体「絵手紙」で済む。 49 校庭を去り難き人花の蕊 →「校庭を去り難き人」までは合格。 これは無迅個人の所感ですが、「総じて季語の斡旋(使い方)が安易」というご指摘になるように思いましたが皆さまは如何でしょうか。 | |||