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 ■200901_02
 海紅   2009/01/19-17:55  No.[6120]
    向きあひて寒紅の口一文字

三木喜美   2009/01/19-19:44  No.[6121]
 
    海紅句抄に久しぶりの投稿です。私毎で恐縮ですが、今年初めて作った「写真と俳句」の作品が寒椿の写真の中に「初春に想ひを込めて紅を引く」でした。先生の寒紅の口が一文字という言葉の裏には鮮やかな色気と共にいろいろな想像が出来ると思います。何か新たな決意でもあったのでしょうか?それとも向き合う人との・・・何かドラマチックな影さえ見えてきます。寒紅は寒中丑の日に紅をつけると口より入る疫病や虫を殺すという俗説もあるそうな。紅の赤さが象徴的な句だと思います。
 

余一郎   2009/01/21-07:16  No.[6124]
 
     一重にしろ八重にしろ寒紅が蕾みの姿を口一文字とは見事の表現である。新年の決意だろうか華美さを寸前に押さえている。寒空と自然に立ち向かう厳粛な美しさが窺える。美しく咲いて欲しいと作者は皆に向き合いその視線の柔らかさが伝わるようだ。
 

佐和子   2009/01/21-07:52  No.[6125]
 
     冬の花火と云われます寒紅は梅の花では一番はやく咲きます。やはり口一文字ですから開花まえでしょうか。
 向きあひてに戸惑いましたが引き締め合う姿と解釈いたします。二日前の暖かさで家の近くの寒紅はもうそうですね五分咲きを越えています。
口一文字には生意気ですが、わびさびの世界を垣間見るような気がします。ごめんなさい。

 

浅草花売り娘   2009/01/21-10:30  No.[6127]
 
    場所柄、浅草には和服の女性が多いんです。洋服の女性も美しく着飾った人が少なくない。で、思うんですが、この句の寒紅は女性の口紅じゃないでしょうか。一文字に結んでいるのだから、何か張り詰めた空気が流れている。誰と、または何と向き合っているのか、いろいろ想像させられます。
 

ちちろ   2009/01/23-09:54  No.[6131]
 
    この句の「寒紅(かんべに)」は三木さん、浅草花売り娘さんのおっしゃるように、女性の口紅のことで冬の季語であり、余一郎さんや佐和子さんのいう梅の「寒紅(かんこう)」とは意味が違いますね。梅は春の季語になります。
三木さん、花売り娘さんの鑑賞すばらしいと思います。
 

佐和子   2009/01/23-15:45  No.[6132]
 
     近所の寒紅梅が今日の暖かさで満開になりました。

寒梅・冬の梅・寒紅梅
たんに梅といえば春。寒中に花を開く梅を寒梅というようです。

 冬の梅きのふやちりぬ石の上  与謝蕪村
 芸のことただ芸のこと寒の梅  花柳章太郎
 寒梅やよきこゑとして老のこゑ 森 澄雄
以上「原代俳句歳時記」石田波郷・志摩芳次郎共編
(主婦と生活社)を参考といたしました。
 

佐和子   2009/01/23-15:45  No.[6133]
 
    ちちろさん
寒紅(かんべに)に関する俳人・著名人の例句をお願いします。

 

佐和子   2009/01/23-16:25  No.[6134]
 
    訂正
原代→現代。
 

ちちろ   2009/01/24-08:00  No.[6135]
 
    寒紅(かんべに)の例句。

 ●笑み解けて寒紅つきし前歯かな   杉田久女
 ●寒紅をひきつつ言葉探しけり    烏山米子
 ●喪にこもる日々寒紅はうすく刷く  黒瀬静江
 ●職を得て寒紅を濃く引きにけり   桑原美津子
 ●入念に引くキャスターの寒の紅   南冨美子
 ●寒紅や老いさまざまに三姉妹    三好昭美

冬の季語で梅の場合は、
 冬の梅・冬梅・寒梅・寒紅梅・冬至梅・早梅・梅早 
 し・蝋梅・唐梅・年の梅
などがあり、皆「梅」の字がつくようです。
この句は「寒紅の口」とあるので、やはり三木さんが説明されている「かんべに」のことでしょう。

 

余一郎   2009/01/24-18:08  No.[6136]
 
    寒紅(かんべに)の例句
久女は俳人ですがあとの人は知りませんので、どの歳時記に出ているのでしょう。
 

佐和子   2009/01/24-18:29  No.[6137]
 
     読み手としての感想をいつも述べることに気を使っています。例句有難うございます。
 寒紅(かんべに)が季語として出ているものを悲しいかな持ち合わせていませんので、どなたか出版社を教えて下さいませんか。
 

佐和子   2009/01/24-19:34  No.[6138]
 
    寒紅(かんべに)
私の所有している歳時記に季語としてありました。
 
 寒紅の店の内儀の美しき     高浜虚子
 つけさせて老けばけばし寒の紅  河東碧梧桐
 寒紅を二つはきたる小皿かな   村上鬼城
 寒紅や二夫にまみえて子をなさず 吉屋信子
  現代俳句歳時記  主婦と生活社

納得とします。どうしましょう、ごきげんよう。

 


 

ポプラ   2009/01/24-21:40  No.[6139]
 
    寒紅から連想するもの、京紅、舞子さん、舞子とくればかわいらしいおちょぼ口なのですが・・・一文字となれば寒紅をさした女性は、相手に対して緊張しているのではないでしょうか。寒と緊張のつながり、うまいなあと感じました。
 

ポプラ   2009/01/25-07:56  No.[6140]
 
    訂正、誤ー舞子 正ー舞妓  失礼しました。
 

ちちろ   2009/01/25-08:57  No.[6141]
 
    余一郎さん。
小生の持っている歳時記は、雄山閣発行、桂信子・金子兜太・草間時彦・廣瀬直人・古沢太穂監修の「新版・俳句歳時記(第二版)」です。
 

余一郎   2009/01/25-19:50  No.[6143]
 
     皆さんありがとうございます。
いろいろご参考の資料に直面したいと思います。
句感想がまだの方はできましたらどうぞ。
 

山房の海紅   2009/01/25-20:09  No.[6144]
 
     雑務に追われて、しばらく御無沙汰していました。いろいろ御感想をお書きくださり光栄です。この句はやや若きころの、やや甘く、やや苦き記憶です。その事実を残すつもりはないのですが、その際に味わった切なさを思い出す糸口として書き留めていた句です。私自身の過去には私自身もあまり関心がありません。関心があるのは、その時々の感情の色合い。皆さんのご意見がとても刺激的で、勉強になっています。今後とも厳しい御感想をお願いします。この二三日、臘梅が美しく咲いています。
 

谷地元瑛子   2009/02/03-17:02  No.[6197]
 
    ちちろ さま

ご教示下さった杉田久女の句はどの句集にあるのでしょうか?
こんなにも素の久女を感じさせてくれるとは!
 



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