■201805_02 海紅 2018/05/18-15:00 No.[8533] |
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湯上がりの匂ふ卯の花腐しかな | |||
茫るぺん
2018/05/30-10:59 No.[8534]
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こじんまりした池の端にひっそりたたずむ 石彫のおぶじぇ とめどなくちょろちょろ 水の流れるさまはさながら 涕の器 。 頬杖をつき愁いげなまどべのちいさな人影 肌の色もさまざまに そう ここは 人間のひながた ・ こびと の 館 。 まど ・ 窓 からながれ つたう滴 くねくねくねとくだりつつ しょぱんの あまだれ の 悩ましい音色も ごきげんなことりのやさしい調べをすこしづつ織りこみ 。 千の色を湛えて澄む いけのみずは 小人たちの 泪の結晶 。 石彫の装置に濾過され 蓮華の池へとみちびかれ 。 涙のしずくが降りるとき いくえにも環をつむいでむかえる漣 卯の花は そのすがしい姿を映し 水面は 新作あぷりのように一瞬ときめく 。 翳りをおびてたゆたう砂紋 さざれ石は巌となり それぞれに対をなし かの石庭のおもかげをしのぶ 水の果て 。 浄められた ナミダ ハ ぎふとかーど に印刷され 個々の 心へと 還ってゆく ホラ ホラ ホラ ・ ネ ! ─── その日を信じてこびとたちは今日も泣き濡れている 。 | |||