■201210_02 海紅 2012/10/16-14:32 No.[7940] |
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銀杏の落ちて参道鬱々と | |||
大江月子
2012/10/20-10:41 No.[7942]
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銀杏の落ちて参道鬱々と この句の解釈は参道が鬱々とした雰囲気に包まれているというのではなく、作者が銀杏の落ちた参道を鬱々として歩いていると受け取ったらいいのでしょうか。 銀杏が落ちて靴底で踏むと銀杏独特の匂いがふと鼻につきます。私はこの匂いは好きですが以前素手でさわってかぶれてしまいました。都会では今、銀杏が落ちるのを知っている人が朝駆けなどをして拾ってしまうので、この参道は人の入らない鬱蒼とした雰囲気の中ででもあるのでしょうか。 *俳句の勉強* ある友人と元は楽しい計画のために、毎月20句を交わすという暴挙を試みていて今300句を越えています。私はもともと俳句の初心の者で俳句というものをしっかりと未だ理解することができずにいるのですが、友人の俳句を俳句として受け入れることができません。それに伴って自分自身の俳句が俳句であろうかと、いっそ自分の句をなかったことにしてやりなおしたいと「鬱々」と思い悩んでいます。近頃先生は折に触れて俳句は良い俳句を作ろうとするより楽しむことがいいと、いう意味のことを話されておられますが、それはとんでもなく俳句を知る方のお言葉と存じます。 「海紅句抄」は主に情景の感想、ご自分の思いなどが書き込まれることが多いのですが、まことに恐れ多いことながら折角の場所ですので、先生の一句を俳句としてどう捉えるか、またその感想など先生ご自身に、また経験豊富な俳句巧者の方に論を交わしていただき「たたきだい」の場所にしていただけたら勉強させていただけるのではないかと考えています。完成した作品にそういうことは無用ということも存じております。勉強ならどこでも、別の場所でと、ひょっとしてお叱り覚悟の書き込みをいたしました。 | |||
山房の海紅 2012/10/22-21:06 No.[7943] | |||
月子さんのお尋ねに少しでも答えねばならないと思っています。今は時間的に無理ですので、十一月に入ったらと考えています。 | |||
山房の海紅 2012/10/23-05:29 No.[7944] | |||
銀杏の散らかった参道は、いつもとはちがって鬱鬱と、心がふさいだ表情をしていると詠んだつもりです。私にとって「参道が鬱々とした雰囲気に包まれている」ということと、「作者が銀杏の落ちた参道を鬱々として歩いている」こととは同じで、区別したことがない。そこにあいまいさがあるとすれば、それは不十分な表現形式がもたらす短詩型の長所であり、魅力だと思っている。そして不十分な表現形式だから、(事実から離れることはあっても)表現だけは矛盾のないようにしよう。そんなふうに努めています。 むかしあるところに神社があった。寺だったかもしれないし、教会だったかもしれない。作者としては、正確なことは捨てて、あえて表現しなかった事柄なので、特定の場所を求めないでくれるとありがたいし、読者の知っている「何処か」に似たところがあってくれれば幸いで、もしなければ、この句から架空の舞台を想定してくれても、いやいや、想定してくれた方がむしろよい気がする。 意図が伝わったでしょうか。 | |||
大江月子 2012/10/23-09:41 No.[7945] | |||
いつも、このせっかくのページがもったいないと感じて、拝見していて、考えた末の書き込みでしたが、後で大げさなことを言い過ぎたかと、いつもの反省をしました。お忙しい中先生が徐々に何かしらのお答えをくださると仰せなら、書き込みは意味があったことと、ありがたく存じます。 「そこにあいまいさがあるとすれば、それは不十分な表現形式がもたらす短詩型の長所であり、魅力だと思っている。そして不十分な表現形式だから、(事実から離れることはあっても)表現だけは矛盾のないようにしよう。」 これは一句の言葉の使い方でいわれるたとえば「きれる」「いいきる」「助詞一つの使い方」など一句の表現にもかかわる「示唆に富んだ」言葉として考えてみます。 「作者としては、正確なことは捨てて、あえて表現しなかった事柄なので、特定の場所を求めないでくれるとありがたいし、読者の知っている「何処か」に似たところがあってくれれば幸いで、もしなければ、この句から架空の舞台を想定してくれても、いやいや、想定してくれた方がむしろよい気がする。」この言葉からは例えば、特定の場所を詠んだ古典的な句などからも、また現在の吟行句からでも普遍的な共感を与えられ、また受け取ることができるということですね。 今日は「不十分な表現形式がもたらす短詩型の長所であり、魅力だと思っている。そして不十分な表現形式だから、(事実から離れることはあっても)表現だけは矛盾のないようにしよう。」 「表現の矛盾を」まず一句を作ろうとするるときに、忘れないで肝に銘じようと思います。十七文字の中に矛盾を見つけるとはどういうことだろうと、まず一句作って考えてみます。 | |||