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 ■201209_02
 海紅   2012/09/18-16:58  No.[7927]
    とんぼうの宙に残りて覚束な

伊藤無迅   2012/09/19-11:22  No.[7928]
 
     個人的な思いですが、俳句には「俳句的な読み」があると思っています。掲句の「とんぼう」もその一つかと思います。ふつうは<蜻蛉><トンボ><とんぼ>であるが、三文字だと、どうにも格好がつかない場合がある。その場合は<とんぼう>を使えばよい。ちゃんと歳時記の傍題にもある。これと似た用法で<大根(だいこん)>を<だいこ>と読む場合がある。これに気づいたのは元居た結社の句会でベテラン披講者が定型に合わせて読み方を変えていたからである。つまり5・7・5になるように咄嗟に読みを変えるのである。たぶんこれは定型をより重視する考えからであろうと勝手に考えています。ただそれが許される言葉は決っているように思える。今、多くは思い出せないが<夕焼け(ゆうやけ)>を<ゆやけ>と読む、などがそうです。
 掲句は蜻蛉が宙(そら)に漂うように浮かんでいる。なんとも頼りない飛びかたである。そう思うのも行く秋の感傷のせいだろうか。「残りて」が行く秋を支える<とんぼう>の健気さをよく表している様に思う。

 

椎名美知子   2012/10/02-12:17  No.[7931]
 
    涼風を感じて、空を見上げると、中空にまるで止まっているようなとんぼ。
秋だなぁ・・と何か懐かしい景色を思い出す句です。
「宙に残りて覚束な」いのは、季節の移ろいに追いつかないでいる私かもと思ったりして。
 



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