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 ■201208_02
 海紅   2012/08/16-16:08  No.[7913]
    考へてゐるらし扇膝のうへ

千年   2012/08/16-19:45  No.[7915]
 
    何か考えている、その軸に、その考えとは無縁だけども、頼む(よりかかる)支柱としての扇。考えるなら、その考えの扇の芯をとらえなければならないけれど、膝の上の扇の芯をいじるばかり・・・
 

伊藤無迅   2012/08/20-22:41  No.[7916]
 
    中七「らし」は動詞の終止形につく推定の助動詞。現代語での表現は「いるらしい」。従って、ここで軽い「切れ」が入る。決して扇が考えているのではない。(笑)
であるからして、膝の扇は閉じられた扇ではない。今しがたまで左手で汗ばんだ顔を仰いでいた、そのままの形、つまり左手に握られたままの開かれた扇である。
勿論、主の脳中には、このうるさいほどの蝉時雨は届いていない。閃いたエスプリの一瞬の残照を、再度手繰り寄せている必死の最中(さなか)なのである。

敢えて、千年さんと異なる鑑賞をして見ました。
 



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