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 ■200910_01
 海紅   2009/10/02-12:15  No.[6703]
    退職の日の支配人胡桃干す

ちちろ   2009/10/09-09:13  No.[6758]
 
    またまたどなたもコメントが出ないので小生が口火をきります。

(定年)退職の日に支配人は胡桃を干している。その支配人は何を思っているのだろうか。
長年、(胡桃のように)頑固に生きてきたがそれでよかったのだろうか。今はくるみの核の表面のように顔の年輪も皺が増えてしまった。もう何も思い残すことはない。これからの人生も何も変わることはないだろう。

さて、小生は子どもの頃、胡桃の木から落ちた胡桃の実を沢山拾って、天日で約2週間干し、それから固い核を割って中の種子をほじくりだしてすり鉢で摺って胡桃あえなどとして食べたものでした。
この句は退職の支配人が胡桃を干していることを詠んだ
句ですが、勝手に鑑賞してみました。
皆さんも別の鑑賞をどうぞよろしく。
 

つゆ草   2009/10/09-10:24  No.[6760]
 
    この頃の先生の句は意味深の句が多いですね。胡桃というと私は幼い頃の「胡桃割り人形」の絵本を思い出します。この句を私は何か小説の一場面かなと思ったのですが、ちちろさんからヒントを得てこう捉えました。退職し、今迄かたくなに固持してきた仕事とは違った人生の殻を破り、「第二の人生」に向かっての心の準備として胡桃を干している・・と。つまりもうやりたい事は決まっていてじっくりとそれに向かっての願望を含んだ心境かなと思うのですが。
 

山房の海紅   2009/10/09-16:42  No.[6763]
 
     とある高原のホテルに着いて、部屋に鞄をおくとすぐ庭に出た。まだ西日が届いていて、まぶしい芝生の下の方に湖が見える。その庭で、さきほどボクを出迎えてくれた蝶ネクタイの人が仕事をしている。近づいて頭を下げると、料理に使う胡桃を干しているのだという。胡桃は近隣で取ったもので、毎年こうして干してきたが、それも今日で終わり。定年退職なのだという。その淡々とした姿は胸を打った。ボクはこんな穏やかな表情で退職の日を迎えられるだろうかと自問した。
 

つゆ草   2009/10/10-07:57  No.[6765]
 
    先生のコメントでこの句の姿がくっきりと浮かんできました。明日はもう接待する事の無いお客様の為に退職のその日にもいつもの様に胡桃を干している支店長・・きっと今迄のお仕事に誇りと満足感を持ってらしたのでしょう。華やかな姿の影にお客の事をひたすら考えて何十年もお仕事をしてきたその姿は退職を迎えて切なくも美しく映ります。何だか浅田次郎の映画のワンシーンをみているような印象を受けました。また感銘を受けられた先生のこの句は現実を詠むという句作りの原点を見せていただいた思いがします。
 

つゆ草   2009/10/10-19:01  No.[6774]
 
    訂正 支店長ではなく支配人でした。
 

ちちろ   2009/10/11-08:46  No.[6779]
 
    先生の自句自解で作句の時の様子が理解できました。
我々の勝手な鑑賞としてはつゆ草さんの鑑賞がすばらしいと思いました。
 



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