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 ■200906_02
 海紅   2009/06/17-16:18  No.[6499]
    蟻の道むかし流人の島といふ

ちちろ   2009/06/19-09:18  No.[6501]
 
    句意は全く違うが、昨年3月に句抄に出た「青き踏むむかし横浜村といふ」の句と創り方は同じだなと感じました。
さて、蟻を辞書で調べてみたら、な、なんとハチ目スズメバチ上科アリ科に属する昆虫なのである。つまり、ハチ目に属して、あの人から恐れられているスズメバチと非常に近い種類だったのである。
「蟻」は夏の季語ということで、それに類する「蟻の道」や「蟻の門渡り」、「蟻の塔」、「蟻の塚」、「蟻地獄」なども夏の風物を彩る季語とされているようである。
子どもの頃、夏休みに蝉を取りによく行った近くの神社の境内で、蟻の列を見つけては、その行く先を追って行き、蟻の巣を小枝でつついたり、踏みつけたりしたものである。考えてみれば蟻たちが大変な労力をもって築いた地中の巣を簡単に壊してしまったのである。
「蟻の道」という季語を知って、今、私は、真夏の太陽がジリジリと照りつけ乾ききった白っぽい土の上を蟻が黙々と列をなして進んでいくのを汗を流しながら眺めている少年の頃の自分が目に浮かんでくるのである。
蟻は忙しく動いてはいるが整然と整列し、酷暑の中を働いているのである。
「むかし流人の島」といわれた島で蟻と同じように列をなして汗水を流し、ムチで追いたれられながら酷暑の中を流人たちは働いたのであろう。
残虐な光景である。
蟻と流人を重ね合わせた句だが、なんともやるせない思いになってくる。

 

mitiko   2009/06/20-11:59  No.[6502]
 
    蟻の道・生活の道・生きる道
 昔、しかられて庭で、蟻を眺めながら過ごした事があ った。涙が一粒落ちる ー 行列が中断する−
 右往左往する蟻達。それを眺めて微笑んでいる。

 人生って、そんなものだ
 
 

つゆ草   2009/06/20-18:01  No.[6503]
 
    ちちろさんのコメントもmitikoさんのコメントも情感溢れていて良いなぁと心に響いてきます。この句は理解するまでに少し時間がかかりました。流人との結び付きがいろいろ考えられて・・ちちろさんがそれを導いてくれた気がします。一方は女王蟻のためまた一方は強いられた生き方、どちらも自分に意思と無関係の生き方ですよね。哀しいかな世の中にはこの様に生きなければならない時もあります。又一方ではかの世阿弥が佐渡島に流された時佐渡という土地の不思議さをを述べたと何かで読んだことがあり、、蟻の道の不思議さと重なるのかなぁとも思ったりしました。奥の深い句であると思います。
 

千年   2009/06/22-20:41  No.[6504]
 
    今度の白山連句の巻きで、「新緑の夕べにほのかマリア像」の脇に先生は「蟻行き来して真直ぐな道」を付けられた。
今、分かったような気がする。蟻の道はけしてまっすぐではない。しかしまっすぐなんだよ、島に流された人の思いはということだと思う。
 



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