■200701_03 海紅 2007/01/22-01:29 No.[378] |
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忘るまじ深雪明かりといふものを | |||
千葉ちちろ
2007/01/22-15:57 No.[379]
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昼間、沢山の雪が降り積もったが、夜になって雪がやんだ。月が出たわけでもないが、その雪の反射であたり一面が薄明るく見える。田舎にいたときにはよく見た光景だが都会に住むようになってからはほとんど見ることもなくなった。忘れまいぞ、自分の故郷のことを。 | |||
濱田惟代 2007/01/22-23:47 No.[380] | |||
「忘るまじ」とろいう強い語りは旅行などでたまたま見た景色には使わないと思います。雪深い土地にそだちあるとき一つの夢を抱いて、故郷をはなれました。何十年かたって、新年にあたり今年の目標を考えるとき、ふと故郷を後にするとき決意したこと「明日は東京に出て行くからはなにがなんでもこの思いを成し遂げるぞ」というかっての自分を思い出して作られたのではないでしょうか。そしてそのとおりになった今でもいつもそのことは忘れずに初心の気持ちにかえって怠ることなく精進していこうという句ではないでしょうか。もしかしたらその決意をした時は雪が深く積もって月がこうこうとさし、お昼間のように明るい夜だったのでしょう。大きな人生の変わり目になったその夜、お母さんに打ち明け他のかもしれません。だからとても印象に残っているのでしょう。お母さんの寂しい気持は十分わかっていてももう決心は変わらない。そのことはなにも詠まれていませがこの句は何か決定的なこととがあったのではないか想像心を掻き立てられます。面倒を見なければならない親、兄弟を残して遠い地にでていくことは身を切るようなつらい決意だったと思います。 故郷を離れないと大人になれないということをきいたことがあります。故郷を捨てたためにがんばれるのかもしれません。 | |||
千葉ちちろ 2007/01/23-07:39 No.[381] | |||
濱田さんのおっしゃるように、故郷を出る時の決意や、また純朴だった精神はもうどこかへ行ってしまいました。初心忘るべからずという言葉もよく使いますが、現実には忘れがちになってしまいます。この句は忘れかけていた気持ちを思い起こさせる句ですね。 | |||
市川浩司 2007/02/02-12:04 No.[409] | |||
自らの覚悟、決意を雪に投影。そして、反映する深雪明りという風土、慈愛に心を預けている。厳しくも優しい句だ。 | |||