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 ■200711_01
 海紅   2007/11/01-14:13  No.[2327]
    盃が出て切干の皿も出る

久保寺勇造   2007/11/03-21:42  No.[2331]
 
     単に切干ですので切干大根でしょう。
秋の終わりから冬にかけて収穫した大根を細切りにして広げて天日干します。非常に手間の掛かる食材です。持て成す側はよほど味に自信がなければ出せません。
 勝手ながらこの句の雰囲気からして煮物としてでなく水戻しもあまり時間をかけない歯応えのあるものが皿に盛られたことだと思います。醤油とか酢はかたわらで好きのように召し上がれと会話はないにしても非常に重厚な関係が窺がわれます。盃で飲む酒と切干の香りが伝わりこちらも自然に口の中が潤んできます。
 

久保寺勇造   2007/11/10-11:16  No.[2346]
 
    当たり前の話ですが盃が出ますれば徳利も出ます。まさか最初の一口は手酌ではないでしょう。向こう側の人は何人居てどうしているでしょうか。それに切干を引き立たせるためにあと二品ぐらいの料理は出ていると思います。たとえば北海蛸のぶつ切りに辛子明太子など。
 外は本日のように時雨れていてもいいですね。この句には落着いて酒を飲む始まりの良い雰囲気が出ています。

 

久保寺勇造   2007/11/15-00:39  No.[2356]
 
     近頃はコップで日本酒を飲むのをよく見かけますが少し前には嗜みがないなどと云われたものです。
盃で飲む酒はまずはお燗ですね。心を込めた燗は飲んで旨さが違います。最初はやはりあまり熱燗でないほうがよろしいようです。切干は三杯酢なんかで食べるのもなかなかのものですが、油揚げと煮た物も結構じゃあないですか。盃で飲むということで畳の上です。
 主人公の向こう側には二人はいます。
ここまでのお運びには「今年もご賞味お出かけ下さい」
のハガキ一枚のお誘いがあったことでしょう。
 さて亦も句意と離れたところはご勘弁ください。
 

秋桜   2007/11/16-10:10  No.[2364]
 
     人の群れから離れて一人になりたい時もある。なのにどこかで人恋しい。もって行き所のない寂しさが心を占めるのは晩秋の夜のせいか。
 大通りから路地に入ると、ほんの数回だが入ったことのある小さな飲み屋がある。引きこまれるように格子戸を開けると、ママさんが目で挨拶をする。せいぜい七人位のカウンター席と2組のテーブル席。先客は一人、カウンターの右寄りに座り、ママさんと話していた様子もない。抑えた照明に今日も安堵する。
 左隅の席に小さな木の椅子を引き寄せ座ると、今日一日の出来事が脳裏をかすめた。
 コトンと音がして、盃と切干大根の小鉢が置かれた。


 
 



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