■200707_01 海紅 2007/07/02-14:18 No.[1729] |
|||
ふるさとの遠き跣足に波寄する | |||
堀口希望
2007/07/03-12:10 No.[1738]
| |||
故郷を遠く離れて生活している作者。たまたま所用があり(あるいは遊びか)海辺に行く。ふとズボンの裾をたくしあげ、裸足になる。足元に波が寄せる。こみあげる望郷、懐旧の気持。もしかしたら、足裏は現在の砂の感覚・海水の感覚と故郷のそれとが違うことを感じ取っているのかも知れない。とてもいい句ですね。 | |||
根本文子 2007/07/06-11:38 No.[1752] | |||
望郷を裸足に語らせる。すばらしいです。一瞬にして海辺を駈ける少年の白い足の裏が見え、過ぎた時間が走馬燈のように巡る。「ふるさと」という言葉は本当に難しいといつも考えていますが、「跣足」という確かな季語、言葉の選択により、このように成功すると言うことを学びつつ、一句の世界に共感します。 | |||
市川千年 2007/07/17-14:42 No.[1753] | |||
「ふるさとの芋送られて芋ご飯」と詠んだことがありますが、根本さんのおっしゃるように「ふるさと」が深く活きている句を見せていただいた思いです。記憶の中にある砂浜の足跡の賑わいが、その感触とともに浮かびました。 昔、両吟半歌仙で「花明かり一村の夕べ静かなり」という句に「妹(いも)の素足は春の水ふむ」という挙句を搾り出したことも思い出しました。 | |||